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春過ぎて夏来にけらししろたえの

衣ほすてふ 天の香具山

作者:持統天皇(じとうてんのう)

解説

この歌は万葉集の

春過ぎて 夏来たるらし 白妙の 衣干したり 天の香具山

がもとになっているそうです。

この当時の春は、陰暦で1月~3月、夏は4月~6月で今の季節とは少し違っています。

「来にけらし」は「いつのまにか来たようだ」で「来たるらし」は「今来たようである」となります。

「干すてふ」は「干すという」で「干したり」で「干してある」となります。

もともとの句は「春が過ぎて、夏が今来たようだ。白い衣が香具山に干してある」となり、作者が直接見た様子を表したようになります。

後の句(百人一首に掲載されている句)は「春が過ぎて、いつのまにか夏になったようだ。白い衣を干すという香具山に」となり、直接見た様子ではなく、誰かから伝え聞いた様子を読んでいるように聞こえます。

 

文法と意味の解釈

※ 夏来にけらし

「に」は、完了を表す助動詞「ぬ」の連用形です。

「けらし」は「けるらし」を略したもので、「来てしまったらしい」となります。

「夏来にけらし」で一度意味が切れるので、二句切れになります。

※ 白妙の

衣、袖、雪、雲などの白いものにかかる枕詞です。枕詞とは、一定の言葉の前に置いて、調子を整えたり、印象を強めたりする言葉のことです。

※ 衣干すてふ

「てふ」は「という」の略です。
読むときは「ころもほすちょう」と読みます。

※ 天の香具山」

「大和三山ーやまとさんざんー(香具山ーかぐやまー、畝傍山ーうねびやまー、耳成山ーみみなしやまー)の一つで、天から降りてきたという伝説があるなど、神聖な山だとされています。

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