寂しさに 宿を立ち出でて 眺むれば

いづこも同じ 秋の夕暮

 作者:良暹法師(りょうぜんほうし)

解説

この歌は、後拾遺集(ごしゅういしゅう)に「題不知(だいしらず)」として出ています。

寂しくて、自分の住まいを飛び出して辺りを眺めてみると、そこはやはり静まりかえった秋の夕暮だった、と詠んでいます。

「立ち出でて」とは、「出て」と訳すのですが、自分の住んでる家から外に出るという意味です。

「出て」は、現代言葉の「出る」になりますが、古典言葉では、「出づ」が基本形になります。

 

文法の意味と解釈

※ 「寂しさに」の「寂し」は形容詞で、「に」は動作の手段や原因、理由を示す格助詞で、「~で、~によって、~ために」の意味になるので、「寂しさのために」の訳になります。

※ 「ながむれば」は、已然形の「ながむ」に順接確定条件を表す「ば」がついています。

「~と、~ところ」の意味なので、「眺めると」の訳になります。

※ 「秋の夕暮れ」と体言止めにすることで余韻を残しています。

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