もろともに あはれと思へ 山ざくら
花よりほかに 知る人もなし

作者:大僧正行尊(だいそうじょうぎょうそん)

解説

この歌の詞書には「大峰にておもひもかけずさくらのはなを見て詠める」とあります。

大峰山の山の中で修行している最中に山桜に出会い、感動して詠んだものです。

大峰山は奈良県にあり、修験道(しゅげんどう)が盛んなところでした。

人里離れた山の中で、ひっそりと咲く山桜と、一人で厳しい修行をする作者を重ね合わせて、桜を擬人化して詠んでいます。

 

文法の意味と解釈

※「もろともに」は、副詞で「一緒に」などの意味です。

※「あはれと思へ」の「あはれ」は、形容動詞で、「しみじみと懐かしいと思ってくれ」の意味です。

※「山ざくら」は、桜を人に見立て、擬人化し、山桜に呼びかけています。

※「花よりほかに知る人もなし」の格助詞「より」は、一定の範囲を、限定(今回の場合は「ほか」にかかる)します。

~よりの意味で、「山桜のほかに自分の気持ちをわかってくれる者はいない」の訳になります。

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