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恨み侘び ほさぬ袖だに あるものを

恋に朽ちなむ 名こそ惜しけれ

作者:相模(さがみ)

解説

この歌は、内裏歌合(だいりうたあわせ)で、「恋」のお題で詠まれたものです。

この歌を詠んだ時、作者は50代でした。

この歌と対決したのは源経俊(みなのとのつねとし)の「下もゆる 歎きをだにも 知らせばや 焼火(たくひ)の神の しるしばかりに(誰にも知られない嘆きを知らせたい、焼火の神様に祈る効果として)」です。

そして、相模が勝ちました。

浮ついた男性の気持ちが自分から離れて、恨みの涙で袖が乾く暇もない。

その袖は、どんなに濡れても朽ち果てないのに、浮き名のために朽ちてしまう私の名誉がとても惜しいと詠んでいますが、作者は数々の恋愛に情熱を捧げてきたようです。

 

文法の意味と解釈

※ 「ほさぬ袖だに」の副助詞「だに」は、体言、連体形、一部の助詞、副詞につき、類推(軽いものをあげ、言葉に出さない部分にそれより重いものがあることを類推する)

「~さえ、~さえも、~でさえ」の意味になるので、「袖さえも」の訳になります。

※ 「あるものを」の「ものを」は、逆説を表しています。

※ 「朽ちなむ名」の「朽ち」は「袖」の縁語です。

※ 「こそ惜しけれ」の「こそ」は、体言などにつく強意の係助詞で、「こそ」を受けて已然形の「惜し」で結ぶ係結びになっています。

 

 

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