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滝の音は 絶えて久しく なりぬれど

名こそ流れて なほ聞こえけれ

作者:大納言公任(だいなごんきんとう)

解説

この歌は、「拾遺集」で、「滝の糸は」という初句で採用されていたものを、「滝の音は」に初句を変えて「千載集」に掲載されています。

詞書では、大覚寺の滝殿の滝をさしています。

999年の秋頃、道長のお供で、嵯峨大覚寺(さがだいかくじ)を訪れた時に、滝殿を見て詠んだものです。

嵯峨大覚寺には、嵯峨天皇(さがてんのう)の離宮(別荘のようなもの)がありました。

滝殿は滝を見るために建てた殿舎です。

作者が訪れた時には、滝は枯れてしまっていました。

作者は、昔の滝殿が美しかったと伝えられているように、自分も後に名を残したいという思いでこの歌を詠んだようです。

 

文法の意味と解釈

※ 「滝」と「流れ」、「音」と「聞こえ」は縁語です。

※ 「なり」は「成り」と「鳴り」の掛詞です。

※ 「流れて」は「絶えて」の対義語です。

※ 「名こそ流れて」の「こそ」は、強意「~こそ」を示す係助詞で、体言などにつきます。

※ 「なほ聞こえけれ」は係結びを伴う係助詞「こそ」を受けて、「けれ」の已然形「けり」で結んでいます。

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