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逢ひ見ての 後の心にくらぶれば

昔はものを 思はざりけり

作者:権中納言敦忠(ごんちゅうなごんあつただ)

解説

この歌は、「拾遺抄」に「初めて女のもとにまかりて、またの朝につかはしける」とあることから、「後朝(あとぎぬ)の歌」とされています。

「後朝の歌」とは、男女が初めて夜を共にした朝に、男性から女性に向けて贈る歌のことです。

「逢ひ見ての」の「逢ふ」も「見る」も男女の間の場合は、深い関係になることを意味します。

「後の心」は、一夜を共にした後に相手を想う気持ちのことです。

「昔」とは、男女の仲になる前のことで、「ものを思はざりけり」は恋の物思いのことです。

逢う前の物思いなんて、何も思ってないのと一緒だったという結ばれた恋の喜びに胸を膨らませています。

 

文法の意味と解釈

※ くらぶれば・・・「くらぶれ」は已然形です。「ば(接続助詞)」がついて、順接確定条件を表します。

「~ならば、~としたら」の意味なので「くらべるとしたら」の訳になります。

※ 昔は・・・「逢う前は」のことで、「後」と対応した言い方です。

「は」は強意の係助詞です。

※ 思はざりけり・・・「ざり」は打消しの助動詞で連用形です。

「けり」は詠嘆の助動詞で「~なあ」の意味です。

ですので、「思わなかったものだなあ」の訳になります。

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