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忍れど 色に出にけり わが恋は

ものや思ふと 人の問ふまで

作者:平 兼盛(たいらのかねもり)

解説

この歌は、誰にも知られないようにひっそりと抱き育んでいた恋心がどんどん大きくなり、どうにも隠しきれなくなってしまい、ついに人に知られてしまうという片思いの忍ぶ恋を詠んでいます。

「忍ぶれど」は、隠しているけれど、の意味で、「わが恋」を隠しています。

「色」とは、色彩のことではなく、表情や顔色のことをさします。

もともと、「色」には、色彩と、顔色の両方の意味があります。

「忍ぶれど~色に出にけり」(誰にも知られないように~顔色に出てしまったようだ)で意味が切れるので、二句切れになります。

 

文法の意味と解釈

※ 忍れど

「忍ぶれ」は、「忍ぶ」の已然形です。

※ 色に出でにけり

「に」は、助動詞「ぬ」の連用形で完了を表すので、「~てしまう、~てしまった、~た」の意味になります。

「けり」は詠嘆の助動詞で、「~だなあ、~ことよ、~たのだなあ」の意味です。

以上から、「顔色に出てしまったのだなあ」の訳になります。

※ ものや思ふと

「や」は疑問を表す係助詞で、「~か」の意味です。

「思ふ」が連体形なので係結びになっています。

そして、次の「人」への問いかけになっています。

ですので、「物思いをしているのか」の訳になります。

 

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