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忘らるる 身をば思はず 誓ひてし

人の命の 惜しくもあるかな

作者:右近(うこん)

解説

この歌は、藤原敦忠(ふじわらのあつただ)に対して詠んだ歌だと思われています。

自分のもとを去って行った敦忠に対して、敦忠を恨むのではなく、彼の身を心配す内容になっています。

(それははたして本心なのかは不明ですが・・・)

まず、あなたに忘れられてしまったことを嘆いているわけではない・・・と伝え、永遠の愛を神に誓ったのに・・・その約束を破ったあなたに罰が下り、命が縮まるようなことがあったらどうしましょう・・・と心配しているように聞こえます。

しかし、敦忠の身を案じているようにも見えますが、実は、自分のもとを去って行った敦忠への皮肉を言っているようにも聞こえます。

皮肉だとしたらすごく怖いですね。

 

文法の意味と解釈

※ 忘らるる

「忘ら」は、動詞「忘る」の未然形です。

「るる」は、助動詞「る」の連体形で。(~られる)の意味。

なので、「忘れられる」の意味です。

※ 身をば思わず

格助詞「を」に係助詞「は」がつくと、「は」が濁り、「をば」になり、強意を表します。

「ず」は、打消しを表す助動詞で、「~ない、~ぬ、~ず」の意味です。

この二句で意味が切れるので二句切れになります。

意味としては、自分の身のことは気にしないということです。

※ 誓ひてし

永遠の愛を誓いましたね、ということです。

※ 人の命の

「人」は、相手の男性、つまり敦忠かと思われます。

二句の「身」と対比させています。

※ 惜しくもあるかな

「かな」は詠嘆の終助詞で、「~かなあ、~ことよ」の意味なので「惜しいことよ」の意味になります。

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