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白露に 風の吹きしく 秋の野は

つらぬきとめぬ 玉ぞ 散りける

作者:文屋 朝康(ふんやのあさやす)

解説

雨の後、強い風が吹き荒れ、草の上から白露が飛び散る様子を、紐でつらぬいていないために散らばっている宝石(ここでは水晶か真珠だと思われます)に例えています。

なんと美しい光景でしょう・・・

白露を宝石に例えることは当時よく使われていて「後撰集」には何首か収められています。

「風の吹きしく」の「しく」は、「しきりに、何度も」という意味で、風がしきりに吹いている様子を表しています。

秋の野分(のわき)~今の台風のこと~の風が吹きつけ、葉についた露をキラキラと吹き飛ばしています。

 

文法の意味と解釈

※ 秋の野は

「は」は係助詞で、事柄を他と区別して取り立てて提示します。

「~は」の意味です。

※ つらぬきとめぬ

「ぬ」は助動詞「ず」の連体形で、打消しを表します。

「~しない、~ぬ、~ず」の意味なので、「つらぬきとめていない」の訳になります。

※ 玉ぞ散りける

「ける」は助動詞「けり」の連体形で、詠嘆を表します。

「ぞ」は強調の語で、これが入ることにより語尾が係り結びの「ける」になります。

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