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人はいさ 心もしらず ふるさとは

花ぞ昔の 香ににほひける

作者:紀 貫之(きのつらゆき)

解説

この歌は、作者が大和国(奈良県)の長谷寺に参詣するたびに泊まっていた宿に、久しぶりに寄り、そこの主人に、最近足が遠のいていたことに対して皮肉を言われた時、そばに咲いていた梅の花を折り、この歌を添えて渡したそうです。

花は、ここでは桜の花ではなく、梅の花をさします。

平安時代は、花と言えば桜ですが、それ以前は、花と言えば梅をさしました。

そして、この歌の詞書には「梅の花を折りてよめる」とあります。

この歌に対し、宿の主人は「花だにも 同じ香ながら 咲くものを 植えたる人の 心知らなむ」(花も誠実に昔と変わらない香りで咲いているのに、あなたはこの花を植えた私の気持ちもわからない)と詠んでいます。

文法の意味と解釈

※ 人はいさ・・・「いさ」はさあどうでしょうか?の意味

※ 「花ぞ」の「ぞ」は強意の係助詞で、「~こそ」の意味

※ 「香ににほひける」は「ぞ~ける」の係り結びです。「ける」は感嘆を表しています。

「にほひ」は視覚的な美しさを表すので、「美しく咲いているなあ」という訳になります。

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