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誰をかも 知る人にせむ 高砂の

松も昔の 友ならなくに

作者:藤原 興風(ふじわらのおきかぜ)

解説

「高砂の松」は、現在の兵庫県高砂市にあり、昔から有名な松の名所で、歌枕にもなっています。

古今和歌集に「高砂、住の江の松も相生(あひおひ)のようにおぼえ」とあるように、天の住の江の松、婦の高砂の松と、夫婦のように考えられていたようです。

また、高砂の松は、長寿やおめでたいことの象徴でもあります。

この歌は、年老いた作者の周りの人たちが、一人、また一人と去ってゆき、とうとう自分一人が残されてしまった、という嘆きの歌です。

長生きなのは松ですが、松では話し相手にならないと言っています。

 

文法と意味の解釈

※ 「誰をかも」の係序詞「か」は、疑問を表し、「も」は、感動を表しています。

※ 「知る人にせむ」の「む」は、意思を表し、「~う、~よう、~のつもりだ」の意味になるので、「誰を友人としようか」という訳になります。

※ 「昔の友ならなくに」の「なら」は、断定の助動詞の未然形(~だ、~である、の意)。「なくに」は、打消しの助動詞「なく」に逆説確定条件の「に」がついて、(~ではないのに)の意味になり、「昔からの友人ではないのに」の訳になります。

 

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