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このたびは 幣も(ぬさも)とりあへず 手向山(たむけやま)

 

紅葉の錦 神のまにまに
 作者:菅家(かんけ)

解説

この歌は、宇多上皇(うだじょうこう)の御幸(ごこう)のお供で、奈良の吉野に行ったときに詠まれた歌です。

10月の、紅葉がとてもきれいな季節だったようです。

当時、旅人は、道祖神(どうそしん)に「幣(ぬさ)」と言われる細かい紙や布を神に捧げ、道中の無事を祈るのが慣わしでした。

作者がそれを用意するのを忘れてしまったのかどうかはわかりませんが、「幣の代わりにきれいな紅葉をどうぞ」とよんでいます。

紅葉の錦とは、紅葉を錦の織物に例えています。

神様も、こんなことを言われてしまったら嫌とは言えないですね。

 

文法の意味と解説

※ このたびは

「この度」と「この旅」の掛詞です。

※ とりあへず

「ず」は、打消しの助動詞で、「~ない」の意味になるので、「じゅうぶんに用意できない」の訳になります。

※ 手向山

神様に手向けをする山のことで、「幣」の縁語になります。

※ 神のまにまに

「まにま」に格助詞「に」(~にの意味)がついて、「~のままに。~に任せて」の意味になるので、「神様の思うままに。神様の思いに任せて」の訳になります。

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