crescent-moon-497319_640
月見れば 千々にものこそ 悲しけれ

 

わが身ひとつの 秋にはあらねど
 作者:大江千里(おおえのちさと)

解説

この歌は、中国(唐)の大詩人「白居易(白楽天)」の「白氏文集(はくしもんしゅう)」の中の漢詩「燕子楼中霜月の夜、秋来たってただひとりのために長し(秋來只爲一人長)」を翻案したものと言われています。

もともと、「秋の夜は私一人のために長い」の部分を、逆の意味の「秋は、私一人のためのものではないのに」とアレンジしています。

また、「月」と「我が身」、「千々(数が多いこと)」と「ひとつ」をうまく対応させています。

これは、対句と言って漢詩の手法です。

 

文法の意味と解説

※ ものこそ悲しけれ

「物悲し」を強めた言い方です。係助詞「こそ」に続く形容詞「悲し」が、已然形「悲しけれ」で結ばれる係り結びになっています。「本当に~なあ」の意味になるので、「いろんなことが本当に悲しくかんじられるなあ」の訳になります。

※ 秋にはあらねど

「ね」は打消しの助動詞「ず」(動作、状態を打ち消す)の已然形です。「~ない」の意味になります。「ど」は逆説を表す接続助詞です。「~が。~のに」の意味になります。ですので、「秋ではないのに。秋ではないのだが」の訳になります。

 

記事を共有
Share on Facebook0Tweet about this on Twitter0Share on Google+0


<スポンサードリンク>