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今来むと いひしばかりに 長月の
有明の月を 待ち出でつるかな
 作者:素性法師(そせいほうし)

解説

この歌は、男性の作者が女性の気持ちを詠んだものです。

女性が、男性の訪れを待つという内容ですが、その期間については2つの説があります。

一つは、一晩しか待っていないという説。

男性から、「今から行くよ」という連絡があったから、寝ないで待っていたのに、男性は訪れず、有明の月(明け方まで空に残っている月)の頃になってしまった。

もう一つは、何か月も待ってしまったという説。

春頃から毎晩月を見ながら待っていたら、とうとう長月(9月)になってしまった。

季節も変わり、秋になってしまった。

藤原定家は二つ目の説だと言っています。

 

文法の意味と解説

※ 今来むと

「む」は話し手の意思を表す助動詞で、(~う、~よう、~つもりだ)の意味なので、「今すぐ行こう。すぐに行くつもりだ。」の訳になります。

※ いひしばかりに

「し」は助動詞「き」の連体形で、過去nい直接体験したことを回想するときに使います。「ばかり」は、助詞で限定をあらわします。ですので、「言ったばかりに」の訳になります。

※ 待ち出でつる月かな

「つる」は「つ」の連体形で、完了を表す助動詞です。(~してしまった)の意味になるので、「待っているうちに有明の月が出てしまった」の訳になります。

 

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