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住の江の 岸による浪 よるさへや

夢の通ひ路 人目よくらむ

 作者:藤原敏行朝臣(ふじわらのとしゆきあそん)

解説

この歌は、光孝天皇(こうこうてんのう)の后の御殿で開かれた歌会で詠まれたものです。

「住の江」は、大阪市住吉区にある海岸です。

松の名所で、歌枕になります。

この当時は、夢に恋人が出てくるのは、相手が自分を想ってくれていることだと考えられていました。

ですから、夢にも出てきてくれないのは、相手はまったく自分のことを想ってくれていないというこいうことで、女性は「なぜ、訪ねて来てくれないのでしょう、夢にも出てきてくれないのでしょう・・・」とますます嘆くことになるのです。

また、この歌は、当時は通い婚だったことから、女性の視点から読んだものという説と、男性の視点から詠まれたものではないかという二つのの説があります。

 

文法の意味と解説

※ 「住の江の 岸による浪」は、次の「よる」にかかる序詞になります。

※ 「よる」は、「夜」と「寄る」の掛詞になります。

※ よるさへや・・・「さへ」は、添加(その上~までも)を表す副助詞です。「や」は、疑問(~か)を表す係助詞です。ですので、「(昼だけでなく)夜までも~か」の意味になります。

※ 人目よくらむ・・・「よく」は、「避ける」の意味です。「らむ」は、推量を表す終止形で、~だろうの意味になります。ですから、「人目を避けるのだろうか」の訳になります。

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