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君がため 春の野に出でて 若菜摘む
わが衣手に 雪は降りつつ
 作者:光孝天皇(こうこうてんのう)

解説

この歌は、作者がある人(誰かは不明)に、若葉を贈るときに添えたものとされています。

贈った相手は、藤原基経(ふじわらのもとつね)ではないか・・・とも言われていますが、やっぱり女性に贈るために詠まれたと思ったほうが雰囲気が出ます。

若菜を摘んだのが作者かどうかはわかりませんが、愛する人のために、寒くても我慢して若菜を摘んでいる姿は、恋心を感じさせます。

当時の貴族は、人に何かを贈るときは和歌を添えて気持ちを伝えようとしていました。

若菜とは、春の七草のことで、「せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろ」になります。

現在も七草粥を食べる習慣がありますが、平安時代の貴族は1月7日に一年の無事を祈って七草粥を食べる習慣の原型ができあがっていたのですね。

ここで言う「春」とは、新春の1月をさします。

 

文法の意味と解説

※ 若菜つむ・・・若菜は春の七草。「つむ」は動詞で連体形になります。

※ 衣手・・・着物の袖のこと

※ 雪は降りつつ・・・「つつ」は、動作の反復や継続を表す接続助詞で、また、余情詠嘆を表す意味があり、現在も雪が降り続いていることを表すので、「雪が降り続いているなあ」という意味になります。

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