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筑波嶺の 峯より落つる みなの川
恋ぞつもりて 淵となりぬる
 作者:陽成院(ようぜいいん)

解説

筑波嶺は歌枕になります。

筑波山は、常陸の国(ひたちのくに)現在の茨城県にある筑波山のことです。

茨城県の筑波山は、男体山(なんたいさん)と女体山(にょたいさん)からなり、その両方から流れる水か合流して男女川(みなのがわ)になります。

男女川は歌枕にもなっていて、このことから、恋の歌の背景としても古くからよく使われていました。

作者は、この地を訪れたこともなく、見たこともなかったようです。

イメージと想像だけでこの歌を書いたようです。

筑波山は、「歌垣(うたがき)」で有名な場所です。

歌垣とは、男女が集まり、宴を開いて歌を披露し、自由に交流しました。

男性が女性に歌いかけ、うまく返せなかったら一緒に寝なければならなかったそうです。

歌垣は、豊作を祈願した宴と言われています。

 

文法の意味と解説

※ 「筑波嶺の峰」と「みな(男女)」は恋を連想させる縁語になります。

※ 「みなの川」は現在の水無乃川です。ここまでが、上の句の序詞になっています。

※ 「淵となりぬる」の「淵」は、水深が深くなったところです。川の淵と恋心の深さを重ねて表現しています。

また、「川」と「淵」はそれぞれの縁語になっています。

 

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