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わたの原 八十島かけて 漕ぎ出でぬと
人にはつげよ あまの釣り船
 作者:参議篁(さんぎたかむら)

解説

この歌は、流罪になり隠岐に流され、その途中、海上ですれ違った漁師の釣り舟に呼びかけるように詠んだと言われています。

しかし、この歌は、処罰を恨んだり、自分の身を嘆くような感じはなく、むしろ広い海に出ていく自分を凛々しく例えているようにも感じられます。

「人には告げよ」の「人」は、家族なのか恋人なのか友人なのかは不明ですが、その人たちに、「自分は元気に旅立ったと伝えておくれ」と釣り舟に男らしく語りかけています。

釣り舟を人に例えて語りかけているので、擬人法になります。

作者は、この数年後、罪を許されて都に帰還しています。

 

文法の意味と解説

※ 「八十島」の「やそ」は数が多いということ。

※ 「かけて」の「かく」は、目指すという動詞。

※ 「こぎ出でぬと」の「ぬ」は完了を表す助動詞で、「~てしまう、~てしまった、~た」の意味。

初句からこぎ出でぬまでが「人」に伝えたいことになります。

ですので、「漕ぎだして行ったと京の人たちに伝えておくれ」という訳になります。

※ 「人には告げよ」の句で、一度意味が切れるので、四句切れになります。

「告げよ」は、釣り舟に命令しています。

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