grand-central-station-581207_640

これやこの 行くも帰るも 別れては

知るも知らぬも 逢坂の関

 作者:蝉丸(せみまる)

解説

逢坂の関は、鈴鹿の関(三重県)、不破の関(岐阜県)とともに三関(さんかん)と呼ばれた関所です。

近江国(滋賀県)と山城国(京都府)の境にありました。

関所は、日夜人と人との出会いと別れが繰り返されています。

その人たちの会話に耳を傾けると、その人たちの生活を少しだけ垣間見たような感じになります。

時は移り、世の中は変わっていく・・・この歌には、そんな無常観を感じることができます。

当時の人はこの歌に、命あるものは死に、出会ったものは別れる、と感じていたようです。

 

文法の意味と解説

※ 「これやこの」は、「逢坂の関」に掛かります。

そして、「や」は呼びかけや詠嘆を表したり、語調を整える間投助詞。(~ことよ、~よ、~や、の意味になります。)

ですので、「これがあの話に聞く逢坂の関である」という訳になります。

※ 「行くも⇔帰るも」「知るも⇔知らぬも」「別れては⇔逢う」と、対比する表現が3つも入っています。

※ 「逢坂の関」の「逢」は「逢ふ」と「逢坂」の掛詞になっています。

また、「逢ふ」の枕詞で、句の終わりを名詞で止め、より余韻を残す、体言止めになっています。

「逢ふ」は、通常男女が逢うことを表しますが、この歌の場合は、人の出逢いを表しています。

記事を共有
Share on Facebook0Tweet about this on Twitter0Share on Google+0


<スポンサードリンク>