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かささぎの 渡せる橋に おく霜の

しろきを見れば 夜ぞふけにける

作者:中納言家持(ちゅうなごんやかもち)

解説

「かささぎの 渡せる橋」は、天の川を意味しています。

かささぎは、織姫と彦星を会わせる手助けをした鳥といわれています。

中国の伝説で、織姫と彦星は天帝の怒りにふれ、天の川の両端に引き裂かれてしましましたが、一年に一度だけかささぎの群れの橋を織姫が通って彦星に会いに行くことができたそうです。

これが七夕の伝説ですね。

ここで一つ、おかしなことに気付きませんか?

渡せる橋に おく霜の

七夕は今では夏ですが、この当時は陰暦の7月で秋。

「おく霜の」霜が降りるのは冬。

ちょっと季節にずれがありますね。

作者は実際にはかささぎを見ていないのでは?とも思われます。

実は、この歌を詠んだ時のことについては二つの説があります。

一つ目は、宮中の建物は橋でつながれていました。

その橋に霜が降りているのを見て、かささぎを想像した説。

二つ目は、冬の夜空を見上げたら、天の川がまぶしく輝いていて、それを霜のようだと連想した説。

どちらにしても、冬の凛とした寒さと幻想的できれいな澄み渡った星空を想像できます。

 

文法の意味と解説

※ かささぎ

からすの仲間で、体は黒く、腹と肩と翼の先端のみ白い鳥です。

※ 夜ぞ更けにける

助動詞「ける」は「けり」の連体形になり「ぞ」の係結び。「ぞ~ける」になり、過去を回想するときに使います。(「~た。~たそうだ。」の意)ですので、「夜もすっかり更けてしまったなぁ・・・」となります。

※ 秋は

「は」は係係り結びを伴わない助詞で、事柄を他と区別して取り立てて提示しています。(他と比べて強調する。「~は」の意)

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