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奥山に 紅葉ふみ分け なく鹿の

声きく時ぞ 秋は悲しき

 作者:猿丸大夫(さるまるたいふ)

解説

この歌は、花札の「紅葉に鹿」の絵の由来とされています。

しかし、通常紅葉といえば楓(かえで)をさしますが、古今和歌集では、萩と鹿を題材にしたものが多いため、萩(はぎ)ではないかという説もあります。

雄の鹿は晩秋に雌の鹿を求めて鳴く習性があります。

鹿が悲しげに鳴くのは、晩秋・・・萩は秋の中頃で、楓が色づくのは晩秋・・・

なので、紅葉は楓ではないかとの説のほうが有力です。

 

文法の意味と解説

※ 紅葉踏み分け

紅葉を踏み分けているのは、人なのか鹿なのか・・・と二つの説がありますが、今は鹿が紅葉を踏み分け、悲しげに雌の鹿を求めて鳴いているというほうが主流になっています。

 

※ 声きくときぞ 秋は悲しき

声きくとき「ぞ」「係助詞」で、文末について断定、強調を表します。

「ぞ」は「悲連体形の「悲しき」が受けていて、係り結びになっているので、「~だ」、「~である」の意味になります。

「は」も「係助詞」で他と比べて特に強調したいときに使います。

「は」は係り結びを伴わない係助詞です。

ですので、

「悲しげに鳴く鹿の声を聞くと、秋は特に悲しいのである、非常に悲しいのだ」といった意味になります。

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